「フォーム営業って、実際のところ効果あるんですか」
面談でもよく聞かれます。
先に答えを書きます。うちの返信率は0.52%でした。192社に送って1社から返事が来る計算です。正直、高い数字ではありません。
ただ、内訳を見ていくと話が変わります。送り先の選び方によって、返信率に9倍以上の差が出ていました。同じ文面を、同じ仕組みで送っているのにです。
この記事では、実際に送った8,538件の記録をそのまま出します。うまくいかなかったところも、記録が取れていないところも隠さず書きます。
何を、どれだけ送ったか
集計したのは2026年4月から8月9日までの記録です。すべて問い合わせフォームからの送信で、メールでの営業は含めていません。
先に言葉の整理をしておきます。フォーム営業の成果は、反響率や反応率と呼ばれることもあります。ただ、何を分子に数えるかが会社によって違います。開封を数えるところ、資料請求だけを数えるところ、いろいろです。ここでは「返事が返ってきた件数を送信数で割ったもの」を返信率と呼び、それだけで統一します。
| 項目 | 実数 |
|---|---|
| 送信 | 8,538件 |
| 返信 | 44件(0.52%) |
| 面談 | 10件(0.12%) |
| 返信から面談へ | 22.7% |
面談は854社に1件という計算になります。
ここで先に言っておきたいのは、返信さえもらえれば4件に1件は面談になっている、という点です。返信の質は悪くありません。問題は、返信そのものが少ないことでした。
送り先で9倍ちがった
ここが一番はっきり出たところです。リストの作り方ごとに分けると、こうなりました。合計が8,538件になるよう、記録が取れていないものも含めて全部載せています。
| リストの作り方 | 送信 | 返信 | 返信率 |
|---|---|---|---|
| 求人を出しているマーケティング会社 | 251 | 7 | 2.79% |
| 一般的な条件で集めた企業 | 2,581 | 14 | 0.54% |
| 分類を記録していないもの | 1,895 | 9 | 0.47% |
| 過去に集めた制作会社リスト | 3,325 | 10 | 0.30% |
| 業種だけで絞ったマーケティング会社 | 158 | 0 | 0.00% |
| その他(少数のロット) | 328 | 4 | 1.22% |
| 合計 | 8,538 | 44 | 0.52% |
一番上と一番下で、9倍以上ひらいています。
求人を出している会社に絞ったリストが2.79%。ここには理由があります。人を採ろうとしている会社は、手が足りていません。手が足りていない会社に「外に出せる部分がありますよ」と言うのは、困りごとに対する答えになります。
一方、返信ゼロだったリストは業種で絞っただけのものでした。マーケティング会社であることは分かっても、今そこが困っているかどうかは分かりません。
もうひとつ、3,325件送った過去の制作会社リストが0.30%だったのも、同じ理由だと思っています。業種は合っていても、状況が分かっていませんでした。
面談まで見ると
面談まで進んだ数で比べると、こうなります。
| リストの作り方 | 送信 | 面談 | 面談1件あたりの送信数 |
|---|---|---|---|
| 求人を出しているマーケティング会社 | 251 | 2 | 126社 |
| 一般的な条件で集めた企業 | 2,581 | 5 | 516社 |
1件の面談を取るために送った数が、126社と516社。4倍の差です。
返信率ほどの差ではありませんが、面談は母数が10件しかないので、この数字はまだブレます。もう少し積み上がってから改めて見直します。
月ごとの推移
| 月 | 送信 | 返信 | 返信率 |
|---|---|---|---|
| 2026年4月 | 463 | 1 | 0.22% |
| 2026年5月 | 10 | 0 | 0.00% |
| 2026年6月 | 13 | 0 | 0.00% |
| 2026年7月 | 6,543 | 33 | 0.50% |
| 2026年8月(9日まで) | 1,509 | 10 | 0.66% |
5月と6月はほとんど送っていません。仕組みを作り直していた時期です。
4月から7月にかけて、返信率が倍以上になりました。文面を書き直したことと、リストの集め方を変えたことが重なった時期です。どちらがどれだけ効いたのかは、同時に変えてしまったので分けられません。ここは失敗でした。次からは片方ずつ変えます。
数字から分かったこと
1. 量を増やしても比例して増えない
7月に6,543件送りました。4月の14倍です。でも返信は1件から33件で、14倍分そのままにはなっていません。返信率が上がったのは、量ではなく中身を変えたからです。
送る数を増やすのは、いちばん簡単な打ち手です。仕組みがあれば手間も増えません。ただ、返信率0.30%のリストを10倍にしても、0.30%のままです。
2. 業種ではなく状況で選ぶ
効いたリストに共通していたのは、業種ではなく状況で絞っていたことです。求人を出している、という条件は「今、手が足りていない」という状況を表します。
業種で絞ると「その仕事をしている会社」しか分かりません。状況で絞ると「今それに困っている会社」が分かります。営業文が答えになるのは、後者に対してだけです。
3. 返信さえ来れば、そこから先は悪くない
返信から面談への転換は22.7%でした。4件に1件です。
届いた文面が的外れではなかった、ということだと思っています。問題は文面ではなく、その手前の「誰に送るか」にありました。
うまくいかなかったこと
正直に書いておきます。
返信ゼロのリストがありました。業種だけで絞ったマーケティング会社158社と、過去リストの一部です。合計で数百社に送って、返事はありませんでした。
再送も試しましたが、126社に送って返信ゼロでした。一度届いていて反応がなかった相手に、もう一度送っても結果は変わりませんでした。
そして、いちばん大きな問題がこれです。8,538件のうち1,895件は、どういう条件で集めたリストなのかを記録していませんでした。全体の22%です。
この1,895件の返信率は0.47%で、全体の平均に近い数字でした。なので結論が大きくずれることはないと思いますが、本来なら全部に記録が残っているべきでした。今は毎回記録を残すようにしています。
それと先ほど書いた通り、文面とリストを同時に変えてしまったので、どちらが効いたのかを切り分けられていません。効果を測るなら、変えるのは一度に一つにするべきでした。
「平均3〜7%」と書かれているのに、うちは0.52%でした
フォーム営業の返信率を調べると、平均3〜7%という数字がよく出てきます。うちの0.52%とは10倍近い開きがあります。
最初にこの数字を見たときは、自分のやり方が悪いのだと思いました。ただ、各社の書き方を読み比べていくと、そもそも数えているものが違うと分かりました。
先に書いたとおり、うちは「返事が返ってきた件数を送信数で割ったもの」だけを返信率と呼んでいます。ここには、自動返信のメールも、資料をダウンロードしただけの人も入りません。人が読んで、人が返事を書いてくれた件数だけです。
一方で、開封を数えているところ、資料請求を含めているところ、フォームの送信が完了した件数を分母から除いているところがあります。何を分子に置くかで、同じ活動でも数字は何倍にも変わります。
どちらが正しいという話ではありません。ただ、他社の数字と自分の数字を並べて落ち込む前に、定義を確かめたほうがいいと思います。うちも定義を揃えずに比べていた時期があり、無駄に焦っていました。
比べるなら、自分の過去の数字と比べるのが確実です。同じ数え方で続けている限り、増えたか減ったかは正しく分かります。
返信率を上げるために、実際に効いたこと
ここまでに出した数字から、効いたことを3つに絞ると次のようになります。
送り先を業種ではなく状況で選ぶ
いちばん効きました。求人を出している会社という条件で絞ったリストが2.79%、業種だけで絞ったリストが0.00%です。同じ文面を送っています。
相手が今どういう状況にあるかが分かる条件で絞ると、こちらの提案が「困りごとに対する答え」になります。業種だけでは、その会社が今困っているかどうかが分かりません。
同じ相手に送り直さない
再送を126社に試して、返信は0件でした。一度届いていて反応がなかった相手に、もう一度同じものを送っても結果は変わりません。
送る数を増やしたいときに、手元にあるリストへ送り直すのはいちばん簡単な打ち手です。ただ、そこに時間を使うくらいなら、新しい条件でリストを作り直したほうが早いです。
変えるのは一度に一つにする
これは失敗のほうです。文面とリストを同時に変えてしまったので、どちらが効いたのかを切り分けられませんでした。
数字が動いたときに理由が分からないと、次に何をすればいいかも分かりません。急いでいるときほど一度に変えたくなりますが、結果として遠回りになります。
同じように、自社サイトの検索対策でも数字をそのまま出しています。AIのクローラーが1日に何回来ているかを数えた記事はこちらです。
これからどうするか
件数を追うのをやめます。8,538件送って面談10件より、選んだ数百件を送るほうが結果が出ることが分かったからです。
状況で絞ったリストの割合を増やします。求人という条件以外にも、状況を表す手がかりはあるはずです。そこを探します。
変更は一度に一つにします。文面を変えた月はリストを変えない、という進め方にします。
フォーム営業を考えている方へ
この数字を見て「思ったより低い」と感じた方もいると思います。実際そのとおりです。フォーム営業は、送れば返ってくるものではありません。
ただ、送り先を選べば結果は変わります。126社に1件の面談なら、成立する話も出てきます。
弊社ではフォーム営業の代行もお受けしています。一斉送信ではなく、送信先ごとにサイトを読んで文面を作る形です。ここに書いた数字は、その中で溜まった実測値です。
ご興味があればフォーム営業代行のページもご覧ください。
この記事の数字は2026年8月9日時点のものです。今後も送り続けるので、変化があればまた書きます。